健康な生活をおくるためのお風呂づくりを考えてみましょう
健康効果もあり心身をリフレッシュさせてくれる入浴時間を、もっと快適に豊かに過ごしたいと願うこともあるでしょう。
それが実現できる浴室はどんなものかという興味はあるかと思います。
浴室の施工法は、大きく分けて在来工法とユニットバスがあります。
在来工法について、昔はほとんどがそうでしたが、既製品を組み立てるのではなく、現場にて職人の方々がつくっていくものです。デザインの自由度は高いです。
ユニットバスはすべてメーカーの工場生産でつくられており、つくるというよりは「セットを組み立てる」というイメージです。設計や職人の腕の差は出ないので、防水面や清掃性に安定性があります。
最近は中間的なセミユニットバス(ハーフユニットともいいます)も採用されることもあります。
入浴の健康効果はここにある
一日の終わりには湯船に体を沈め、ゆったりとお湯につかりたくなります。温かいお湯につかれば、ときほぐされていくような開放感で心と体はリラックスするでしょう。
入浴は健康によいということは誰もが何となく感じていることですが、実際に科学的に証明されています。
具体的には、お湯につかって体が温まる「温熱効果」。体温が上がることで毛細血管が広がり、全身の血流が促されます。
これは実は非常に重要なことです。
そして、血流にのって疲労物質や老廃物がスムーズに体外に排出されるようになり、体の緊張がとけてコリもほぐれます。
またバスタブのお湯による水圧で期待できるのが「水圧効果」です。
入浴時の水圧で手足にたまった血液が押し戻され、血液の循環が促進されます。
また、お湯の浮力で湯船の中の重力は陸上の9分の1になります。体を支える筋肉や関節の負担が軽減され、疲れがとれやすくなります。
ぬるめの温度でもじっくり湯船につかっていると、じんわりと発汗してきます。汗をかくことで体温調節をしやすくなり、自律神経のバランスも整ってくるのです。老廃物や疲労物質も出しやすくなり、代謝も改善されて肌もきれいになるなどの効果も期待できます。
健康効果もあり心身をリフレッシュさせてくれる入浴時間を、もっと快適に過ごせるような浴室を目指しましょう。
ユニットバスとセミユニットバス(ハーフユニット)、おすすめはどっち?
浴室の施工法は、大きく分けて在来工法とユニットバスがあります。在来工法は理想に合わせて好みの浴槽やタイルなどが選べ、レイアウトも自由にプランニングできます。デザイン性を重視したい場合や、変則的な間取りに向いています。職人が手作業でつくるので工期は長めで、設計の優劣、職人の腕の差がでます。
ユニットバスは、パッケージ化された部材を現地で組み立てるため、工期が短くて済みます。床や壁、天井などのパーツの継ぎ目が工夫されているため、防水性にも優れ、掃除しやすく保温性も高い製品が多くなっています。コストパフォーマンスもよく、多くの人に支持されているユニットバスですが、1つ欠点があります。
それは、デザインのバリエーションに限界があるということ。工場で大量生産することでコストを抑えられるのですが、それだけに一般的な家の浴室が基準とされており、規格があります。
天井が斜めになっている、浴室スペースが台形などといったイレギュラーな造りにはユニットバスは使えません。デザイン面で強いこだわりがある人にとってユニットバスは物足りないと感じるでしょう。ある程度の素材や色は選べますが、ヒノキや大理石を使いたいといった場合は在来工法を選ぶ方がよいでしょう。
それぞれのメリットを生かしたものが「セミユニットバス(ハーフユニット)」です。浴槽や床、壁の下部分だけをユニットバスを用いて、壁の上部分や天井は自分の好みの素材を選んで組み合わせたものです。ユニットバスでありながら、床以外の部分はフルオーダーのようにどんな素材でも自由に組み合わせが可能なので、個性的な浴室に仕上げることができます。
例えば壁に出っ張りがあるなどユニットバスの設置が無理な場合でも、設計の自由度が高いセミユニットならば対応できます。扉や浴室の位置を調整することも可能なため、バリアフリー化もしやすくなっています。
しかし、セミユニットバスにもデメリットはあります。床や壁の下部はユニットバスのために防水性が備わっていますが、ユニット以外の壁や天井には防水性を高める必要があります。選ぶ素材によってもコストアップになり、壁や天井の防カビへの対策も必要です。
実際、壁に木材を使ったのはいいが、すぐに汚れてきて、掃除が大変だという相談を受けたことがあります。
見ると、樹種の選定ミスと乾燥や塗装などの処理を誤っていることが原因と判断しました。
結論としては、セミユニットが向いているのは、在来工法ほどには予算を出せないし、床の防水性能も確保しながら、譲れないこだわりがあるという人です。
こり過ぎて、気がつけば在来工法よりも費用が高くなっていたということにならないようにしたいものです。
求めるお風呂は開放感かプライバシーか
せっかく注文住宅で家を建てるのだから、お風呂も開放的で明るい空間にしたいものです。しかし、開放感を追い求めると、外からの視線が気になるなどプライバシー確保の面で問題が生じます。
いくつかの工夫をすることで、開放感とプライバシーを両立させることは不可能ではありません。
窓を大きく取れば外景も取り入れられて広々としますが、周囲に家が密集していれば常にブラインドを下ろすことになります。そのような状況ならば、無理をせずに小さい窓の方が安心感は得られます。自然光を取り入れて明るくしたいならば、天窓をつけるという方法もありますが、掃除の問題はでてきます。
道路や隣の家と接していて視線が気になるならば、中庭を設けて目隠しにしてもよいでしょう。浴室からの視線は中庭の空間へつながるため、閉鎖的な雰囲気はありません。
また、見落としがちな照明ですが、窓と反対側についていると夜間の入浴時に体のシルエットが窓に映ります。照明は窓の近くに設置するか、明るさを落としたものを選ぶと落ち着いた浴室空間になります。